午前9時40分、公民館へ。開館は9時半、ほんの数分のうちにスタジオは埋まってしまっていた。その次を待つ人もすでにいる。ガーン。「今日は午後なら空きがあるんですけどねえ」。ふがいない気持ちで公民館を出る。早起きしていたんだから、開館と同時に飛び込めばよかった。
午前の空は曇り、まだ陽射しも強くない。今日は火曜日。井の頭公園に行ってみよう。
トロンボーン絵がナイスなTシャツは、関西を中心に活動する
「三田村管打団?」のもの。まだライヴを観たことがないのにすでにTシャツ着ています。吉野さんありがとうございます。音はまだわかりませんが、Tシャツのサイズ感はバッチリです。
井の頭公園で楽器を組み立ててベンチでパープーと吹く。でも今やりたいのは基礎練習で、「ド・レ・ミ・レ・ド・ミ・ファ・ソ……」といったような、聴いていてもおもしろくもない音ばかりだ。高音域もバリバリ吹けるようになりたい。隣のベンチで本を読むおじいさんのことを考えると、へたくそな練習ばかりしているのもなんだか居心地が悪い。散歩する犬、走り回るチビッコ、駅高架の工事、夏休みの高校生、誰もわたしのクジャリネットなんて気にしていないというのに、わたしの気持ちがいまいち乗り切れない。虫刺されが気になる。結局、一時間も経たないうちに退散。
家に帰って「おなかがすいた」。正午すぎにごはんを食べて、満腹になって、またクラリネットを持って家を出る。なんつうか、あれだ、消化不足なのだ。朝の公園練習で何を覚えたかというと、「公園での練習はいまいち意味が薄い」ということだ! 面白くもなんともなかったのだ!
スタジオの空きを30分待って(先約はヴァイオリンと吹きものの二人組女子でした)、ようやくスタジオへ。朝の「もやもや」を吹き飛ばそうとガツガツ基礎練習。ガツガツ吹いていたら勢い余ってリードミスが多発。隣のスタジオからはへたくそなアルトサックスが聴こえてくる。自分のことを棚に上げてなんだけれども、あれが「へたくそ」で「面白くない音楽」というのはわかるのだ。こちらとしては、まだ出せる音は少ないのですが、それでも、面白くない音楽はやりたくないのよーんという心意気はあるわけです。
むずかしい「ラ」や「シ」の運指練習や音階の練習をする一方で、教則本についている「曲」を吹いてみる。まず楽器を膝におろして、譜面を見て「シ・ド・レ・ミー・レ・ミ……」と声に出して唄う。そしてどういう曲なのか覚えられたらクラリネットで吹く。そんなことをはじめて5分過ぎたところで先生登場。
「この曲、どういうことかわかってますか?」
「はあ」
「吹く前にまず唄ってみましょう」
「自分でもちゃんと唄っていたもん!」
「それが出来ていないから言ってるんです。ちゃんと唄ってみると、ほら、ここのスラーの意味や、メリハリを付けるべき箇所がわかってきますよね?」
正直、まだ指と耳に集中していて「楽器で唄う」ことまでには至らないのだけれども、先生が言うことの意味はよくわかる。余計なお世話だけれども、隣のスタジオにいるアルトサックス吹きにも教えてあげたい。
結果的にミッチリ2時間稽古をして終了。明日明後日と、早朝から夜半まで外出しなくてはならないので、丸二日間クラリネットに触れないのがとてもさみしい。